路線価の価格で家の売却価格も左右されるのか?

不動産を売却するにあたって、売却価格を決める時は様々な側面から検討すべきです。
路線価も売却価格に影響を与える要素の一つです。
路線価とはどういうもので、どう売却価格に影響を及ぼすのか、以下に解説していきます。

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路線価について

路線価とはなんでしょうか。その定義と、土地に関する他の公的価格との関係性についても説明していきます。

路線価とは何か

路線価とは、土地の税評価額を求めるために対象地の道路(路線)に振られている土地単価のことで、宅地1平方メートルあたりの評価額で表します。
そして以下の通り路線価には、相続税路線価と固定資産税路線価の2種類があります。

相続税路線価

国が毎年一回決定するもので、相続税や贈与税の評価額を算出するために使います。
相続対象となる土地の評価額は、その土地が接する道路の路線価に土地の面積を掛けて算出します。
その結果最終的な土地の評価額が相続税の課税対象となるのです。
一般的に路線価といえば、この相続税路線価となり、国税庁のホームページで閲覧できます。

固定資産税路線価

各市町村が決定するもので、固定資産税、都市計画税、不動産取得税、登録免許税の評価額を算出するために使います。
固定資産税路線価は原則として3年ごとに見直されます。

路線価の特徴

路線価は、毎年1月1日時点の価格として評価し、7月1日頃に国税庁が公表しています。

路線価は売買実例価格や不動産鑑定士などの専門家の意見も参考にしつつ決められる事が特徴的です。

また、公示地価に比べて調査地点が非常に多く、公示地価が数万箇所であるのに対して路線価の調査地点は数十万というレベルで全国の広い範囲で不動産取引の参考にされる指標と言えます。

ただし、地価というものは当然ながら景気や需給関係などによって上下しますので、相続税評価額を算出する上では非常に重要な路線価ですが、不動産取引における利用には限界があることは認識しなくてはならないと思います。

路線価と公的価格の関係

路線価の他にも土地価格を表す公的価格があり、それらが路線価とどう関連するのか、ここではその算出方法についても説明していきます。

地価公示が時価を表す基本

土地価格の最も基本となるのが地価公示です。

地価公示は、国が全国の定点観測ポイントにおける毎年1月1日時点の価格を評価更新して公表するものです。

その目的は、不動産取引における価格の指標となることに加え、公共事業用地の取得価格規準ともされ、公正な地価算出を目指していることでもあります。

都道府県地価調査も時価を表す指標

地価公示の他には都道府県地価調査があります。

都道府県地価調査とは、都道府県知事が定点観測ポイントにおける毎年7月1日時点の価格を評価更新して公表するものです。
地価公示と都道府県地価調査の定点観測ポイントは異なっておりますが、両方を確認しておくことで半年毎の時価動向を把握することが可能となります。

路線価は地価公示を基に決められる

路線価は、地価公示の評価額が決まったことを受けて、各路線の価格を割り振っていきます。

具体的には地価公示の80%程度の水準とするようになっています。

これは、路線価が相続税や贈与税を算出する際に、相場変動によって納税者にとって負担が急増しないよう、すなわち相場変動によって税額が増えすぎないように配慮されていると言えます。

路線価の見方

路線価自体は国税庁のホームページ内にある「財産評価規準書」というページで過去のデータも含めて閲覧することができます。

そのページ概要と、路線価動向について説明します。

国税庁ホームページで見てみる

国税庁ホームページ内の財産評価基準書「路線価図」「評価倍率表」をhttp://www.rosenka.nta.go.jpで見ることができます。
ページ内にも記載されているように、この財産評価基準は、対象年の1月1日から12月31日までの間に相続、遺贈又は贈与により取得した財産に係る相続税及び贈与税の財産を評価する場合に適用します。

このページに表示されている日本地図から見たい地域を選んで進んでいくと、路線価が表示された詳細な地図が表示されます。

ページ左部の各項目の中に「路線価図の説明」という項目があるのでここで路線価の見方の詳細がご覧いただけます。

路線価は上昇傾向

現在のところ、基本的には路線価は上昇傾向にあります。

2018年7月に発表された路線価は、全国の標準宅地の対前年平均変動率はプラス0.7%でした。
前年はプラス0.4%、その前はプラス0.2%なので3年連続上昇したことになります。

上昇率上位は沖縄県、東京都、宮城県、福岡県など大都市を擁する都道府県が多く、逆に路線価が下がっている上位は秋田県、愛媛県、青森県など人口が減少傾向にある県が多くなっています。

そして、昨今では国の重要な政策となっているインバウンド増加策が奏功して路線価が上昇した地域もあります。

観光名所や繁華街などはインバウンド需要で商業が活況となり路線価も上昇する傾向にあります。
路線価は一様に上昇したり下降したりするわけではありませんが、地域の地価相場とその動向が詳細にわかる指標と言えます。

不動産売却への影響は?

公的価格の一つである路線価は、不動産を売却するときの価格にもある程度影響します。
ここではその影響の度合いや影響の仕方について説明します。

路線価は売買にどう影響を与えるのか

路線価は売却価格を決める上で一つの指標になります。

所有している不動産を売却する場合、もちろん高く売りたいのは当然ですが、市場実勢とかけ離れた価格で売り出してもなかなか成約に至ることは難しいです。
そこで依頼する不動産業者と相談することになりますが、路線価も不動産業者と売却価格を決める上での一つの指標にはなります。

標準地を定める公示地価と違って、路線価の場合には道路に設定されるため、路線価が設定された道路に接している土地は、より詳細に価格を求めることが可能であり、また調査地点も非常に多いので、その点では路線価の利用価値は高いと言えます。

ただし、路線価は元来相続時に課税される不動産の価値を算出するための指標であり、実際に取引される「実勢価格」とは異なるため、実際の取引事例や景気動向、金融市場動向、そして物件自体の新しさや希少価値などを総合的に勘案することが大事であり、路線価は参考にする程度のものと考えた方が良いかもしれません。

売却時に路線価で注意することは?

前述の通り、路線価の一番の注意点は実勢価格ではないということです。

路線価は、不動産取引数が少ない地方のエリアなどでは取引価格に与える影響は大きいかもしれませんが、都市圏の不動産売買ではやはり取引事例と需給関係などによる実勢価格の把握が一番重要です。

ただし、路線価は公示地価の80%が目安という特徴により、土地価格が下落傾向にある時は実際に路線価の水準で売却できればその後の地価下落を考えると適正な価格で売却できた感覚となることから、そのような下落相場では使いやすい指標となることもあるでしょう。

まとめ

路線価は、国が定める土地評価の指標の一つで、ある程度売買価格決定における参考になるものです。

ただし、実勢価格との違い、公示地価との違いを理解した上で利用しないと間違った判断をする可能性があることが注意点です。