レオパレスのアパートの問題で株価暴落。これまでの経緯と新問題を解説
不動産売却のトリセツ編集部の後藤です。
2019年2月5日(火)のガイアの夜明け(テレビ東京)で「マネーの魔力3」というタイトルでレオパレス問題についてまた取り上げられました。
今回はどのような内容だったのでしょうか?
新たな問題が発覚し、株価にも大きな影響を与えています。
取り上げられた内容と、その後に発覚した新たな問題、これまでの経緯を分かりやすくまとめます。
ガイアの夜明けの内容で過去3度に渡り放送
テレビ東京のドキュメンタリー番組、ガイアの夜明けですが「マネーの魔力」と題して過去3度に渡って不動産業界の問題を取り上げています。
「家賃保証」をうたう賃貸アパート大手「レオパレス」のアパート建設を巡っては、防火や耐震で必要な「界壁」が存在しない、建築基準法違反の物件が全国に多数建設されていたことを、独自取材により明らかにした。番組の放送以降、行政指導を受けた企業は「改善策」を発表。業界は「浄化」される方向に向かうものと期待されたが…。
シリーズ企画・マネーの魔力第3弾では、終わらない「不正」な不動産取引と、暴走するマネーの実態を再び取材。消費者・投資家が留意すべきことは何かを伝えていく。
初めてレオパレスのことを取り上げたのは2017年の年末
最初の放送内容は、違法建築のことなどではありませんでした。
サブリース契約(家賃保証)についての問題を取り上げており、レオパレスでアパートを建築したオーナーを直撃取材しています。
30年間の家賃保証がウソであるということや、レオパレスオーナーへの家賃減額や、家賃保証解約交渉などの裏側を明らかにしています。
二回目の放送内容(2018年5月29日放送)
二回目の放送ではいよいよアパートの天井に界壁(防火壁)がつくられていない物件があることを告発しています。
日本で初めてアパート投資の「30年一括借り上げシステム」を導入したレオパレス21。
前回、取材班はレオパレスとオーナーをめぐる「賃料減額」「契約解除」のトラブルを追跡した。
今回、新たに浮上した問題をスクープ取材。シリーズ・マネーの魔力第2弾、不動産投資の実態に切り込む。
そして第三回目
レオパレス21は問題の公表後、界壁の前頭調査や補修工事を行うことを約束しましたが、レオパレスオーナーがまったく調査が進んでいいないと告発をしています。
また、2013年に公募増資が行われていますが、界壁不備の件はその時点で知っていたはずと指摘しており、問題を隠して増資を募ったことの違法性を指摘するような場面もありました。
「家賃保証」をうたう賃貸アパート大手「レオパレス」のアパート建設を巡っては、防火や耐震で必要な「界壁」が存在しない、建築基準法違反の物件が全国に多数建設されていたことを、独自取材により明らかにした。番組の放送以降、行政指導を受けた企業は「改善策」を発表。業界は「浄化」される方向に向かうものと期待されたが…。
まずレオパレスの界壁問題とは?
まずは2018年5月に問題が明らかになった界壁の不備の問題に触れていきます。
そもそも界壁とは?
界壁は、「防火」「遮音」について建築基準法等、関係法令の技術的基準に基づく性能を満たし、小屋裏・天井裏まで達するように設ける必要があります。
界壁というのは、アパートなどの共同住宅で各部屋の間を区切る壁のことです。
これは、防火や遮音の役割を持っており、建築基準法などで技術的基準が定められています。
界壁の不備があるとどんなことが起こるのか?
防火や遮音の役割を果たすためのものに不備があるということなので、防火上の観点で耐火性能が低下している可能性があるということです。
ただ、レオパレス21公式HPによると、建物全体の構造耐力に影響を与えることはないとのことです。
2019年2月7日に発表された新問題とは?
2018年4月、5月に公表された界壁問題以外でも、新たに問題が発覚しました。
新たに発覚した問題の内容は?
レオパレス21のプレスリリースによると、以下の3点に問題が発覚したということです。
天井:二重にしていないか材料が耐火基準に満たない
界壁:材料が遮音性能を満たしていない
外壁:材料が耐火基準を満たしていない
レオパレス21の対応について
レオパレス21公式HP内のプレスリリースによると、入居者及びレオパレスアパートオーナーには以下のような対応になるそうです。
入居者に対して
- 最大で14,000人が引っ越しを余儀なくされる可能性
- 費用はレオパレス負担で住み替えの案内をする
レオパレスアパートオーナーに対して
不備が確認された物件に関しては以下の対応になるそうです。
- すべてレオパレス21社負担で補修工事
- 募集保留期間の空室賃料を補償
レオパレスの問題に対しての社会の反応は?
ガイアの夜明けでも取り上げられ、更に新たな問題を公表したレオパレス21。
社会の反応はどのようなものでしょうか?
詐欺的だと避難の声が強まる
レオパレス、壁が発泡ウレタン!
考えられませんね!壁が只の硬い発泡スチロールですよ!
私の知り合い以前、レオパレス。
隣りの部屋の人のオナラまで聞こえるそうです!
よく建設中に建築法に通りましたよね?不思議!
壁が発泡ウレタンで建築法に通るの?
いい加減すぎ!— tsukasa (@tsukasa05114611) 2019年2月9日
「もはや詐欺的だ」語気強めるオーナー レオパレス問題 毎日新聞社
レオパレスの株価も暴落
新問題の公表後、2019年3月期連結純損益の赤字幅の拡大見通しを発表しました。
すると売り注文が殺到し、ストップ安水準にあたる前日比100円安の415円(2割減)まで株価が下がりました。(2019年2月8日)
レオパレスアパートは売却も難しい
レオパレスのアパートが売りに出されているのをために見かけますが、かなり安くないと売却も難しいようです。
なぜならば、融資がつかないからです。
アパートの売却は融資が大事なのでですが、違法建築の疑いが強かったり、施工で次々と問題になるようであれば、銀行もさすがにお金を貸したいとは思ってもらえません。
そういった理由で、今ではレオパレスのアパートの売却はかなり難易度が高いです。
まとめ
この問題はレオパレスオーナーだけでなく、何万人もいる入居者にも多大な影響を与えています。
一刻も早く物件の状態を改善し、入居者が安心して暮らせる環境になればと思います。