不動産業者は何が違うの?
不動産業者は星の数ほどあります。
しかし、業者によって何が違うのでしょうか?
どこも一緒ではないのでしょうか?
不動産を高く売りたいのであれば、業者選びが肝になります。
ここでは、不動産業者を選定する基準について解説していきます。
家を売るのになぜ業者選びが大事なのか?
不動産業者はあなたの不動産売却におけるパートナー。
任せる担当者によって高く売れるか売れないかが変わってきます。
なぜならば、不動産売買を行うときは営業、マーケティング、リスクマネジメントなど多方面の能力を必要とされ、どこかが抜けていると後々トラブルになったり、買主側にマイナスな印象を与えかねないためです。
プロなので「できて当たり前」ですし、企業によっては社内で分業していると思いますが、窓口となる担当営業マンがすべてをコントロールできるくらいの知識は最低でも必要になりますので、しっかり見極めましょう。
担当の営業マンは全部任せられる人か?
依頼する立場としては、できないからお願いするので、自分の専門外のことを任せられるか見極めようとしてもなかなか難しいかもしれません。
ただ、以下のようなことをお願いするので、滞りなく進めてくれそうな人なのかどうかは、話の内容から少しは読み取れると思います。
下記のように、売却を請け負う不動産業者が行う仕事は多岐に渡ります。
例えば・・・
- 対象物件の価格査定
- 売出し、広告
- 物件の調査(都市計画や建築制限に関する法令など)
- 買主、買主側仲介会社との折衝
- 重要事項説明書、契約書の作成
- 金融機関との決済の調整
- 司法書士との調整 など
ただ単に売主・買主とコミュニケーションするのみではなく、リサーチやマーケティングも必要になり、重大な契約を行うのでリスクマネジメントも必要になるのです。
大切なあなたの不動産取引で、高額での売却も実現してくれて、取引の様々な場面で頼りになる信頼できる人を選びたいものですね。
不動産業者を選ぶポイント
では、一体どのようなポイントで不動産業者を選べばいいのでしょうか。
不動産業者を選ぶポイントは次のようなものです。
- 売主の意見を尊重してくれる
- 得意な分野が物件とマッチしている
- 査定価格
- 会社の社風・対応の良し悪し
- 担当者の人柄・知識経験
売主の意見を尊重してくれる
このことはとても大事な要素になります。
売却までは数ヶ月、中には一年近く時間がかかることもあります。
そのため、こちらの考えを理解して尊重しようとしてくれるかどうかは、上手く付き合っていけるかどうかに大きく関わってきます。
以下のようなことを気をつけて業者を選定しましょう。
意見が割れたときの対応はどうなのかを見る
特に初めての売却のときは、理解できないことが多いと思います。
そんなときに、しっかりと納得いくまで説明してくれるのか。
納得できない場合は他の選択肢を提示してくれるのか。
こういったところは担当者によって変わります。
業者選びをするときは、意見が分かれるときは協議してくれそうか、担当者の意見を押し付けすぎないか、などをイメージしながら話を聞きましょう。
売却の戦略も話し合ってくれるかを見る
不動産は一つ一つ違いますので、あなたの不動産に適した売却戦略を立ててくれるかどうかが大事です。
例えば売却のときは以下のようなことを想定して戦略を立てます。
- どんな顧客をイメージしているのか
- 何をアピールポイントにしているのか
- マイナスになるポイントは何か
マイナスポイントをどうカバーするか - 競合になる物件はどこか
- どのくらいの価格で、売却期間はどれくらいを見込むのか
- 時間と価格のどちらの要素を重視するのか
上記のようなことを、選択肢を持って説明してくれる担当者なら、意見を尊重してくれやすいと見ていいかもしれません。
なぜならば、そもそも選択肢を与えずに一方的に決めていく担当者も往々にしているためです。
必ず内覧がありますから、そのときに備えて不動産業者はあなたに代わって、この不動産は何が特徴なのか上手に説明できなければなりません。
売主の立場に立って考えてくれる仲介業者なのか、それとも単に「とりあえず高く売り出してみて、じわじわ価格を下げていこう」程度に軽く考えている業者なのかよく見極めましょう。
得意分野・領域がマッチしているか
仲介業者もエリアや不動産の用途によって得意不得意があります。
売りたい物件の専門知識と実務経験を兼ね備えている、プロフェッショナルなのかどうかをしっかりと見極める必要があります。
得意分野は関係あるのか?
不動産業者はどこも同じ免許で営業していますので、依頼することは可能です。
ただ、大きなオフィスビルから商業ビル、一棟ものの賃貸住宅や広大な土地から居住用の一般の戸建住宅からマンションの一室まで分野が様々です。
医師にも専門医があるように、不動産業者にも専門というべき、得意分野・領域があるのです。
例えば、居住用物件なら居住物件を多数扱っている業者ですと、購入希望者のイメージや、教育機関や保育施設の有無や、税務上の優遇措置、銀行ローンの貸し出し状況などの重要な条件がすぐに頭に浮かびます。
そのため、得意な業者に依頼したほうがスムーズに進むことが多いです。
不動産業者の得意分野・領域がよくわからない場合は率直に尋ねてみましょう。
例えば、あなたが売りたい不動産が土地付き戸建の場合、
「こういう(価格帯など。面積・立地などでも良い)土地付き戸建って御社では年間どのくらい取り扱い実績がありますか?」
と尋ねてみましょう。
査定価格が高すぎると要注意
査定価格は、普通は一番重要視されるのではないかと思います。
査定価格は、高ければいいというものではありません。
逆に、高く提示してくる会社の方が裏がある可能性があります。
査定価格の裏にある業者の思惑
一括査定サイトなどでできる限り複数社の意見を参考にされることをおすすめします。
数社の意見を聞いほうがいい理由は以下です。
- 査定価格はあくまでも担当者の予想
- 業者にとっては営業のきっかけに過ぎない
つまり、業者の恣意が入ります。
普通は高く提示してくれたところにお願いしたくなるものですよね。
それを狙って相場よりもあえて高く査定する業者も往々にしてあるということです。
そのため、複数の情報を集め中央値を知る必要があるということですね。
でも、数社から査定価格が出た場合、バラバラですのでどう考えれば良いか困ってしまいますね。
それぞれの査定会社から出してもらった根拠をよく吟味しましょう。
その中でも査定価格が他の業者より著しく低い場合や、著しく高い場合はどうすればいいのでしょうか。
査定価格が他の業者より著しく低い場合
この場合は以下の2つが考えられます。
- 手数料狙いで早く売らせようとしている
- 本当の適正価格を正直に伝えようとしている
売主が納得して安い価格で売り出せれば買い手がすぐに見つかると考え、業者にとっての売り上げ、つまり仲介手数料を早く得られると考えているのかもしれません。
しかし、正直に適正価格を出しているのかもしれません。
それを知るため、価格の根拠をしっかり聞いてみましょう。
査定価格が他の業者より高い場合
高く査定価格を出したほうが売主は喜び、媒介契約締結に結びつきそうと考えている可能性があります。
そうやって売主を喜ばせておいて媒介契約を取りたいがための査定価格かもしれません。
大した営業活動もしないで後に売主に「なかなか売れないので価格を下げないと売れませんね」と言って価格を下げさせる、最初からの作戦ということもよくあります。
そのことを頭に入れて、ここでも査定価格の根拠をよく聞いてみましょう。
結局、正しい価格を見極めるにはどうすればいいか?
正しい価格を知るには、過去の事例を参照するのが一番です。
それを口頭ではなく、紙面でしっかりと提示してくれるかどうかが重要です。
同じ物件や近くの物件の成約事例が存在しない場合もありますが、そんなときは条件の近い物件の事例を聞いてみましょう。
その他、金融機関の評価なども教えてくれるか聞いて見ましょう。
この説明を聞いて内容が納得できれば依頼する仲介業者の候補と考えて良いでしょう。
このような仲介業者なら買主側との交渉もしやすいでしょう。
会社の社風・対応の良し悪し
会社自体の信用もやはり大事です。
何かトラブルが起こったときにきっちり対応してくれるのか、見抜く必要があります。
例えば電話をかけたときの会社の対応や、担当者の言葉遣い、依頼した内容の返答のスピードなどで、その会社が信頼するに値するのか、分かってくると思います。
不動産会社はどこも資金が潤沢にあり、HPやオフィスは立派な企業が多いです。
目に付きやすいところはどこの会社も体裁を整えますが、何度かやり取りをしてみないと見えてこない部分もありますので気をつけて見ていきましょう。
会社の信用はこのように見抜く
担当者が顧客に対してはもちろん、店内の同僚などに対しても口の聞き方が丁寧な人であれば会社組織がうまく回っていると考えていいでしょう。
社内の情報共有などもきちんとできる会社である傾向があるとわかると思います。
顧客であるあなたが電話連絡をした時に担当者が不在でも、伝言がきちんと伝わると思われます。
また、担当者があなたが聞きたいこともごまかしたりせずにきちんと話したり資料を提示してくれることや、小さな約束や時間も守るような人であることなども信頼できる要素です。
対応の良さ・レスポンスの早さ
この他にレスポンスが早いかどうかということや、土日などに連絡が取りづらくないかなども考慮に入れると良いでしょう。
このような担当者がいる会社には買主側の業者も安心して情報を流してくれるので情報が集まりやすい会社と言えるでしょう。
担当者の人柄・知識経験
これまで述べてきたこと全てに通じますが、結局は会社というよりも担当者個人に依存する部分が大きいです。
フィーリング的な要素もあるかもしれませんが、しっかりと話し合って、担当者を選びましょう。
人柄も重要
営業なのであからさまに愛想が悪い人はいないと思いますが、
依頼するのは会社であっても、やり取りをするのは基本的には営業窓口の担当者です。
この人とうまくやっていけるか、高く売却してくれそうな人か、大事なことを任せてもいいか・・・などのことをしっかりと見ていきましょう。
また、売却を依頼するということは、営業の代行をお願いすることになります。
人柄が良ければ、買主も好感を持ってくれる可能性が高いです。
つまり、高く売ってくれる可能性が高いということです。
人としての部分もしっかりと見て判断しましょう。
税務も含め不動産全般に対応できる知識があるか
不動産の仲介業は幅広い知識の裏付けと整理された思考が要求されます。
特に売主側の仲介会社には必要です。
なぜなら、個々の不動産の特性を調査・理解して、それを分解、整理して買主に伝えなければいけないためです。
そうはいっても、売却の依頼者が最初に担当者に会っただけの段階ではどれほど担当者の知識があるのかわかりにくいと思われます。
そこで仲介会社の売却の経験談を聞いて見ましょう。
多数の案件をこなして入れば知識も豊富とわかります。
売主側の話をよく聞いてもらった上で、売却の戦略をどう考えるか聞いて見ましょう。
また業務に関連する知識として新しい法律や税制の改正も知っているか聞いてみるといいでしょう。
今(2019年1月)でしたら秋の消費税の導入時の前と後では不動産の税務はどう変わるのかや、不動産の売却の時の特例には現在どんなものがあるか、などと質問してみるのです。
丁寧に応えてくれて知識がアップデートされているのは社内研修がきちんとなされているか、常に向上心を持って自分で勉強しているかどちらかです。
まとめ
高く売却するには業者選びが最重要です。
しっかりと担当者の話しを注意深く聞き、会社の社風や担当者の人柄・知識経験を観察することが大事です。
査定の価格だけに左右されず、上記で述べたポイントを意識しながら話を聞いて、高値での売却に繋げましょう。