不動産売却において戸建ては立地だけでなく建物の築年数が査定に大きく影響するため、戸建て売却を得意とする不動産仲介業者に依頼する必要があります。
しかし不動産仲介を営んでいる会社は多く、どの業者に依頼すべきか悩んでしまう売主も多いです。
売却実績が少なかったり信頼できない営業担当者がいる会社に依頼してしまうと販売が長期化したり納得できない売却価格で契約することになったりと、失敗するリスクを抱えてしまいます。
そのため一括査定サイトなどを利用して複数の不動産会社に査定を依頼し、安心して任せられる会社をしっかり選ぶことが大切です。
この記事では戸建て売却を依頼する会社の選び方や注意点について、解説します。
ユーザーが選んだおすすめ不動産会社のランキングも紹介しますので、これから戸建てを売却する予定のある人は参考にしてください。
戸建て売却の不動産仲介会社ランキング
この章ではオリコン株式会社が公開している「実際にサービスを利用したユーザー4,890名が選んだ不動産仲介売却戸建てランキング」をベースに、上位10社を紹介します。
参考:最新 おすすめの不動産仲介 売却 戸建てランキング オリコン顧客満足度調査
順位 | 会社名 | 点数 |
---|---|---|
1 | 住友林業ホームサービス | 78.8 |
2 | 野村の仲介+ | 77.1 |
3 | 三井住友トラスト不動産 | 77.0 |
4 | 東急リバブル | 76.9 |
4 | 近鉄の仲介 | 76.9 |
6 | 三井のリハウス | 76.6 |
7 | 住友不動産販売 | 75.7 |
8 | ハウスドゥ | 75.6 |
9 | 積水ハウス不動産グループ | 75.4 |
10 | センチュリー21 | 74.5 |
10 | 福屋不動産販売 | 74.5 |
不動産売却の取扱高・仲介件数ランキング
この章では公益財団法人不動産流通推進センターが公開しているデータを基に、不動産売却の取扱高上位10社を紹介します。
参考:2022 不動産業統計集 3不動産流通
順位 | 会社名 | 取扱高(百万円) | 仲介件数 | 手数料収入(百万円) | 店舗数 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 三井不動産 リアルティグループ | 1,892,665 | 41,183 | 90,120 | 291 |
2 | 東急リバブル | 1,577,995 | 28,750 | 71,540 | 199 |
3 | 住友不動産販売 | 1,453,387 | 38,144 | 71,278 | 256 |
4 | 野村不動産 ソリューションズ | 964,882 | 10,081 | 39,833 | 94 |
5 | 三井住友 トラスト不動産 | 550,366 | 8,226 | 22,928 | 71 |
6 | 三菱UFJ不動産販売 | 450,168 | 4,652 | 19,003 | 35 |
7 | みずほ不動産販売 | 428,610 | 3,978 | 17,767 | 49 |
8 | オープンハウス | 362,430 | 8,268 | 15,051 | 62 |
9 | 積水ハウス 不動産グループ | 287,876 | 7,973 | 12,684 | 115 |
10 | 東宝ハウス グループ | 226,996 | 6,217 | 10,865 | 19 |
戸建て売却の仲介不動産会社を選ぶポイント
戸建てはどの不動産会社でも売却できるわけではないため、不動産会社を選ぶポイントを押さえたうえで選定することが大事です。
この章で詳しく解説しますので、会社選びの参考にしてください。
戸建ての売却実績数
不動産会社によっては土地やマンションの売却に特化していることもあり、戸建ての売却に強い不動産会社を選ぶ必要があります。
そのためHPや不動産ポータルサイトで記載されている売却実績数を事前に調べ、実績が多い会社から優先的にピックアップすることがポイントです。
これ以外にも販売している物件に戸建てが多いという点もチェックしておくべきといえます。
専門性の高さ
戸建て売却を成功させるためには室内や外観をよく見せるための工夫以外にも、買い手の質問に答えられる準備をしておく必要があります。
特に耐震性や耐久性、雨漏りやシロアリ被害の有無については物件を内覧しただけでは分からず、買い手が不安になりやすいため事前に説明資料を準備しておくことが重要です。
査定を依頼したタイミングで不動産会社から売却プランの提案を受けることになりますが、こうした資料を準備してくれるかどうかは業者選びの判断材料になります。
売却物件があるエリアに店舗があるか
売却実績や販売物件が多くても、売却を依頼した物件があるエリアに店舗がなければ買い手からの反響は少なくなってしまいます。
そのため売却物件があるエリアに店舗がある不動産会社を選定し、スピーディーに反響対応できる会社に依頼することも大切です。
店舗が近くにあれば売却に関する疑問点があってもすぐに来店して相談できるため、売主にとってもメリットがあります。
評判や口コミは良いか
不動産会社を選ぶためには会社の評判や口コミを調べ、不適切な対応を取っていないか調べる必要があります。
売却を依頼してから会社を変更するには手間と時間がかかり、売却機会の損失に繋がることも少なくありません。
こうした失敗を防ぐためにも、SNSや口コミサイト、Googleなどで不動産会社の評価は査定を依頼する前にチェックしておくことをおすすめします。
査定額に根拠があるか
不動産の査定はレインズや不動産ポータルサイトを営業担当が確認し、最適な売却価格を査定額として売主に提示します。
不動産会社は同じデータベースを活用して査定額を算出していることから、基本的には査定額は同じようなラインになります。
しかし実際には相場よりも査定額を高く提示して販売を依頼してもらおうとする不動産会社もいるため、注意が必要です。
このような業者に販売を任せてしまうと後から価格を下げることになるため、販売期間が長くなってしまうというリスクを抱えてしまいます。
査定額が相場よりも高い場合は根拠がないケースが多いことから、必ず算出に利用したデータベースを見せてもらい、分かりやすく説明してもらうことが重要です。
見込み顧客を抱えているか
販売してすぐに売却できるかどうかは不動産会社が既に抱えている見込み顧客の数が大切です。
不動産は買い手と売主の希望条件が合えば早期売却できますので、見込み顧客が多い不動産会社に依頼できれば売却できる可能性は高くなります。
一般的に大手不動産会社の方が見込み顧客は多いですが、長年地域密着型で活動している地元不動産会社も独自の顧客をストックしているため、設立年月日をチェックしたうえで不動産会社を選定する必要があります。
このように、不動産会社がこれまで活動してきた実績が早期売却に繋がりやすくなることが分かります。
担当者の対応が丁寧か
営業担当の説明や返信のスピードは信頼できるかどうかに直結するため、安心感がある担当者がいる不動産会社に依頼するのがポイントです。
不動産に詳しくない売主の気持ちに寄り添って説明してくれる担当者であれば気持ちよく売却を任せられますので、査定時の対応は特にチェックしておく必要があります。
たとえば戸建ての売却を近隣住民に知られたくない場合、車を遠くに停めて歩いてきてくれる営業担当は気遣いができるといえます。
また売却に関する税金や確定申告の必要性は売主の費用負担を決める重要なポイントとなりますので、売買に関係なくても売却担当であれば伝えるべきです。
売主が抱える不安やリスクを減らし、スムーズに売却できる提案をしてくれるのが、優秀な担当者だといえます。
売却以外の提案をしてくれるか
不動産は売却だけでなく、自己利用や賃貸といった方法があります。
不動産仲介業者は物件を公開して買い手を探し、売買契約を締結することで利益を得るため売却の提案をするのが当然ですが、売主にとってベストな方法かどうかは別です。
このことからも、自社の利益ではなく売主にとってベストな選択を提案してくれる不動産会社は信頼できるといえます。
選んではいけない戸建て売却の仲介不動産会社
売却を依頼する不動産会社を間違えてしまい、戸建てが長期間売却できなかったり希望条件で契約できなかったという失敗事例は多いです。
一度戸建てを売却してしまうと買い戻すことは難しく、取り返しのつかない売却活動になってしまいます。
こうした失敗を避けるためにも、選んではいけない会社の特徴を知っておく必要があります。
この章では選んではいけない不動産会社の特徴を紹介します。
査定価格が相場に対して高すぎる
不動産会社の査定は公開物件と成約事例をベースに算出しますが、不動産会社によっては相場よりも高い査定額を提示するケースもあります。
資産価値に合わない価格で販売してしまうと買い手からの反響が減ってしまい、売却完了までにかかるランニングコストが高くなります。
こうした失敗を避けるためにも査定額の精査は重要だといえます。
物件の問題を隠そうとする
雨漏りやシロアリ被害があると契約不適合責任を売主は追及されることになり、修繕や代金減額、損害賠償を請求されるリスクを抱えることになります。
こうしたリスクを知りながら物件の問題点を隠す不動産会社は自社の利益を優先している可能性が高く、注意が必要です。
そのため販売を任せた後にネットで公開されている物件をチェックし、伝えるべき内容が記載されているかチェックすることをおすすめします。
契約の判断を急かそうとする
買い手から価格の減額や条件変更を含めた交渉を受けることがありますが、このタイミングで契約の判断を急かす不動産会社には売却を任せるべきではないといえます。
なぜなら売主にとって不動産売却は大切な財産を放棄することになり、しっかり家族を交えて協議する必要があるからです。
このような売主の気持ちに寄り添えない不動産会社では不安を抱えたまま引き渡しまで契約が進んでしまいますので、疑問や不安があれば不動産会社を変えるべきといえます。
まとめ
戸建てをスムーズに売却するためには知識と経験が豊富な不動産会社に販売を依頼する必要がありますが、そのためには複数の会社に査定を依頼することが大事です。
また査定を依頼する前に不動産会社の実績や口コミを調べ、さらに査定時に対応した担当者との相性もチェックポイントです。
このように不動産会社と担当者が信頼できるかどうかを見極めることが、戸建て売却を成功させるコツといえます。