実家が空き家となり売却を検討するケースは多いですが、仏壇や位牌、神棚といった仏具がある場合は適切な対処が必要となります。
なぜなら仏壇などにはご先祖様がいるように感じられるため、親戚や家族ではない他人からすると購入を躊躇する理由になるからです。
そのため実家に仏壇がある場合は宗派を調べ処分の方法を調べることが大切です。
しかし日常的にお寺と連絡を取っている家庭でない限り供養の仕方や手続きを把握することは難しく、納得できない形で仏壇が処分されてしまうという失敗事例もあります。
このような失敗を避けるためにも、仏壇の処分方法については正しく理解すべきです。
この記事では実家にある仏壇の処分方法や相談先、事前にやっておくべきことについて解説します。
実家を相続し使い道がなく売却を検討している人は、参考にしてください。

実家の仏壇は供養(魂抜き)をしてから処分する

一般的に仏壇仏具を粗大ごみとして捨てることは問題とされており、自治体によっては回収を断られることがあります。
なぜなら仏壇などには先祖の魂が宿るとされており、故人を敬うという観点からも適切に対処する必要があるからです。
そのため実家に仏壇がある場合はまず懇意にしているお寺に相談し魂抜きをしてもらうことが大切ですが、現代ではお寺と繋がりのない家庭も多く依頼先がないというケースもあります。
そこで、この章では仏壇の供養についての相談先について、解説します。

家族が属する菩提寺に依頼する

先祖代々が供養をお願いしている菩提寺がある場合は、まずそのお寺に相談することをおすすめします。
菩提寺にはその家族の先祖が祀られているお墓があるので、魂抜きをした後の仏具を移動させる場所があります。
また魂抜きに必要となる費用の相場についても気軽に質問しやすいことから、実家を売却することが決まればなるべく早い段階で相談することが重要です。
なお、供養によって仏具から魂が抜かれることになりますが別の仏具に移動してもらうことを「魂入れ」と呼び、菩提寺の僧侶であれば安心して依頼することが可能です。

近くの仏具店に相談する

菩提寺がなく両親も既に他界している跡継ぎなし世帯は相談先がなく途方に暮れてしまうこともありますが、そのような場合には近くの仏具店に相談すべきです。
なぜなら仏具店や仏壇店は仏壇の処理方法や手順について詳しく把握しており、お布施の費用相場についても確認できるからです。
さらに店によっては売却に関わる専門家と提携していることもあり、遺品整理業者や家具などの不用品回収業者を紹介してくれる仏具店もあります。
このことからも菩提寺がない世帯だけでなく自分でお寺や供養の手続きを調べる時間がない人にも、仏具店への問い合わせはおすすめといえます。

実家の仏壇の処分方法

実家の仏壇には祖先や他界した親族の魂があるため、正しく処理することで気持ちよく実家を処分することができます。
また処分方法はいくつか選択肢がありますが、どの方法にも注意点があるため慎重に検討することが大切です。
この章では実家の仏壇を処分する方法について解説しますので、仏壇のある実家を処分する人は参考にしてください。

自治体の粗大ゴミとして自分で出す

自治体の管理している施設に資源ごみとして出す方法は比較的安価で対応することができ、数千円前後で処分できるケースもあります。
自治体を利用する場合はまず仏具を廃棄する際のルールを確認して正しい手続きを把握することがポイントで、ルールによっては規格サイズになるよう解体しなければならないこともあります。
さらに魂抜きや供養をした証明書を求めてくるケースやそもそも仏壇の廃棄を認めない自治体もあるため、スムーズに処理するためには事前に相談しておくことがポイントです。

お寺に供養とともに仏壇の処分をしてもらう

魂抜きしたとはいえ長年家に置いていた仏壇をゴミにだすのは抵抗があるという人には、お寺で供養してもらうと同時に仏壇を処分してもらうのがおすすめです。
お寺であれば仏壇ごと形式に沿った供養をしてもらうことで精神的に安心して処分することができ、心残りなく実家を処分することができます。
そのため自分で処分するのではなくお寺に依頼する人は比較的多いですが、お布施や処分費用などが別途かかるため注意が必要です。
最近では仏壇の廃棄と供養をセット価格で提示してくれるお寺もあることから、複数のお寺に相談することも重要といえます。

不用品回収業者に処分してもらう

不用品回収業者は通常の空き家売却でも使用することが多い専門業者で、家屋内の不用品を撤去する際に依頼します。
家具や家電など不動産売買において不要となる残置物を撤去するため、仏壇も合わせて廃棄を依頼することができます。
そのため効率よく仏壇を廃棄することができ、売主として工数を減らすことができるというメリットがあります。
その一方で魂抜きを理解していない業者に依頼してしまうリスクがあり、中には供養代を削減するために魂抜きをせずに処分する業者もあります。
このような業者に依頼してしまわないためにも複数の業者にコンタクトを取り、魂抜きを含めた見積書を提示してもらうのがおすすめです。

仏具店や葬儀屋さんに処分してもらう

葬儀を依頼した会社や仏具店でも仏壇の処分は可能であるため、まとめて依頼するケースもあります。
特に葬儀会社は葬儀に関する流れや手続きを踏まえた提案をしてくれるため、仏壇をスピーディーに処分し売却を進めたい人に向いている処分方法です。
また仏具店は仏壇を販売しているため処分方法にも詳しく、魂抜きを依頼できるお寺との連携も強いです。
このような理由から、葬儀や相続が発生したタイミングで利用した葬儀会社や仏具店に依頼する人もいます。
ただし、仏具店や葬儀会社への依頼料は他の方法よりも少し高くなるというデメリットがあるため、注意が必要です。

そのまま空き家の買取業者に買い取ってもらう

実家を有効活用せず売却するのであれば、そのまま空き家を不動産買取業者に買取してもらうという方法もあります。
買取は仲介と違って残置物を撤去することなくそのまま買取してくれるため、仏壇の処分をする必要がありません。
また魂抜きや処分の段取りも全て任せられるという点もメリットですが、仏壇がある空き家の買取に慣れている業者に依頼しなければトラブルになることもあります。
そのため仏壇がある実家をそのまま買取してもらう際には、買取業者の選定が重要なポイントといえます。

まとめ

実家に仏壇があり処分の仕方に悩む場合はまず菩提寺や仏具店、葬儀会社に相談することがポイントですが、供養には費用も工数もかかってしまいます。
そのため実家を売却する予定がある場合は仏壇を残したまま買い取り専門店に買取してもらうという方法が手間がかからず、おすすめです。
不動産売却のトリセツを運営している株式会社ウィントランスは、空き家の買取を得意としている不動産会社です。空き家の買取に強い「空き家パス」を運営しています。仏壇など実家に物が残っている状態で、対応にお困りの際はぜひ一度空き家パスのお問合せページよりご相談ください。