相続や贈与が原因で東京都の空き家は増加傾向にあり、東京23区でも多くの物件が公開されています。
築年数が浅く建物の状態が良ければ仲介でもスムーズに売却することができますが、築年数が古く設備の劣化が進んでいる場合は買主が見つかりにくく、売れないことが悩みになっている売主も多いです。
そこで不動産の売却方法として仲介ではなく買取を選択するケースもあり、東京を対応可能エリアとする不動産買取業者も増えています。
買取は仲介にはないメリットがある一方デメリットもありますので、特徴をしっかり確認したうえで判断することが大切です。
この記事では東京都でおすすめの買取業者と買取のメリット・デメリットについて、解説します。
空き家相談の窓口も紹介しますので、東京に空き家を所有している方は参考にしてください。

東京都の空き家買取業者5選

この章では東京に本社や支店があり、買取事業を営んでいる会社を5社紹介します。
買取業者を選ぶうえでの参考にしてください。

空き家パス

サービス名空き家パス
会社名株式会社ウィントランス
住所東京都渋谷区代々木一丁目53番4号 田尻ビル3F
宅地建物取引業免許東京都知事(2)第102329号

参照:空き家パス株式会社ウィントランス

空き家パスは全国対応ですので東京都のどこに空き家があっても買取可能となっており、電話やメール、LINEなど様々な問い合わせ方法で受付しているという特徴があります。
また全国で買取実績があるため空き家買取のノウハウを多く保有しており、訳あり物件や事故物件、再建築不可といった他の買取業者では買取不可だった物件も買取してくれることもあるそうです。
これ以外にも現地査定時に売主が立会う必要もないという点も評価されており、2025年6月時点のGoogleレビューでは4.9以上という口コミ結果になっています。
Googleには次のような口コミが掲載されていました。

私は、三重県在住で祖父の名義であった鹿児島県の家と土地を譲り受けたのですが、田舎で、これから先住む予定も無く、家も古く手を加えないと住める状況でないので、手離す方法をインターネット等で色々探していたら、今回お世話になった空き家パスさんに出会い、最初は少し不安でしたが何度も連絡を取り合っていくうちに、信用度が増して完全にお任せしようと心が決まりました。
色々な手続き等、全て迅速に対応していただき、一度も出向く事なく不動産の売買まで
仲介してもらい大変助かりました。自分の代で何とかしたかったので空き家パスさんに出会えて本当に良かったです。肩の荷がおりました。今回、お世話になった川股さん
ありがとうございました

ワケガイ

サービス名ワケガイ
会社名株式会社ネクスウィル
住所東京都港区新橋5-10-5PMO新橋Ⅱ10F
宅地建物取引業免許国土交通大臣(1)第10481号

日本ナンバーワン調査によるとワケガイは2023年12月に実施したアンケートで「買取価格満足度」「スタッフ対応満足度」「安心・信頼できる満足度」が1位となり、多くの売主に評価されていることが分かります。
またGoogleの口コミ評価も2025年6月時点で4.7と高く信頼できることから、売りにくい物件でも安心して任せることができる買取業者といえます。
物件がゴミ屋敷のような状態でも残置物を片付けることなく最短で査定してくれるという点も、魅力の一つです。
HPには次のような口コミが掲載されていました。

引越しで住んでいた家が空き家になるために売却を検討。他社で断られたので相談したら、とても親身になって対応してくれました!

東京ストラテジーマネジメント株式会社

会社名東京ストラテジーマネジメント株式会社
住所東京都千代田区飯田橋4-4-9ダイアパレス飯田橋1階
宅地建物取引業免許東京都知事(3)第94368号

東京ストラテジーマネジメント株式会社は千代田区を中心に現在15棟のビルやマンションを保有しており、「スピード査定と現金化」にこだわりがあります。
また、マンションだけでなく一戸建てや土地など様々な種類の物件を買取することが可能となっており、他社よりも高い査定額を提示できる可能性があるようです。
特に千代田区や東京都心部での買取を強化エリアにしているようですので、東京都に不動産を所有している人に向いている買取業者といえます。

CENTURY21

サービス名CENTURY21
会社名株式会社大正ハウジング
住所東京都北区昭和町2-16-1
宅地建物取引業免許東京都知事(5)第80018号

大手フランチャイズチェーンを運営している株式会社大正ハウジングでは、共有持分の不動産買取を実施しています。
不動産売却において共有持分の売買は買い手が見つからず、固定資産税を支払い続けながらも放置せざるを得ないという売主も多いです。
大正ハウジングはこのような問題に対応するために共有持分を積極的に買取しており、関東一体を対応エリアとしています。
共有持分以外にも相続不動産や底地物件、借地権物件なども買取しており、Google評価も2025年6月時点で4.2と高評価のため、売りにくい物件の買取に強いことが分かります。
Googleには次のような口コミが掲載されていました。

戸建ての売却をお願いしました。担当の方もとても親切丁寧な対応をして頂きとても感謝しています。ありがとうございました。

事故・訳あり物件買取センター

サービス名事故・訳あり物件買取センター
会社名株式会社雅家
住所東京都台東区上野3丁目28-7 上野3丁目ビル5F
宅地建物取引業免許国土交通大臣(1)第9946号

株式会社雅家が運営する事故物件売却サポートセンターには「年間相談実績3000件超」「累計買取件数4000件超」「お客様満足度96.2%」といった特徴があります。
HPでは利用した売主から多くのコメントが掲載されており、高評価の内容も少なくありません。
また、司法書士や土地家屋調査士だけでなく、弁護士や税理士とも提携しており多方面の相談に対応することができます。
24時間365日受付していますので、気軽に相談できるという点も魅力だといえます。
HPには次のような口コミが掲載されていました。

地元の不動産会社に相談すると自殺物件は買取できないと言われ、住みながら売却することを勧められましたが、ご近所の方に家を売り出していることを知られたくない思いが強く、売却を断念していました。買取を断られることを覚悟してメールしましたが、「雅家」さんにすぐに査定にお越しいただき、色々な話や質問にも答えてもらい納得して買取りしてもらえました。ご担当者様もとても落ち着いた雰囲気の方で、信頼できる人だと感じました。

空き家を買取で売却するメリット5選

買取は仲介と違って販売期間がないためスピーディーに売却できるという特徴がありますが、他にもメリットがありますので知っておくべきポイントといえます。
この章では空き家を買取で売却するメリットを5つ、紹介します。

解体や不用品の撤去をせずそのまま売却できる

買取業者は買取後に再販売できる状態にするため、買取業者の費用負担によって建物を解体したり不用品を処分することになります。
そのため解体費用や処分費を削減することができ、手間もかからないという点が大きなメリットです。
なお、買取業者が買取する場合は仲介手数料が不要となるケースがほとんどのため、売却の諸費用を仲介よりも抑えることができます。

訳あり物件でも買い取ってもらえる

仲介では再建築不可物件や事故物件といった訳あり物件を売却することは難しく、売却価格を相場よりも安くしても売れ残ってしまうケースは少なくありません。
その点不動産買取はどのような物件であっても買取してくれるため、安心して査定を依頼することができます。
業者によっては査定から数日で契約、決済が完了し、現金化することも可能です。
このように物件の状態にかかわらずスピーディーな対応をしてくれるのが、買取のメリットといえます。

契約不適合責任がない

契約不適合とは「目的を達成できない状態」のことで、代表的なトラブルとして雨漏りやシロアリ被害などが挙げられます。
不動産仲介によって売却した場合、引き渡しから一定期間内に契約不適合が発生すると売主は買主の目的が達成できる状態に補修しなければなりません。
補修できなければ代金減額請求や契約解除及び損害賠償請求を受けることもあり、売主にとって大きなリスクといえます。
不動産買取は買取業者が建物をリフォームし、再販売できる状態に自ら修繕します。
そのため契約不適合責任を免責にすることができ、引き渡し後に売主の費用負担が発生するリスクを大きく減らすことができます。

固定資産税や維持管理費の負担から解放される

固定資産税や都市計画税、管理修繕費、駐車場代などは不動産を所有している間発生し続ける維持費となりますが、売却することでこうしたランニングコストから解放されることになります。
不動産仲介で売却を試みたものの販売が長期化し、ランニングコストの総額は膨れ上がってしまったという失敗事例も多いです。
そのためまずは不動産仲介で物件を公開し、一定期間売れなければ買取に切り替えるという売却方法もおすすめです。

特定空家に指定されるリスクから解放される

平成26年に制定された空家等対策の推進に関する特別措置法によって、適切に管理がされていない空き家や倒壊の危険性が高く周囲に著しく悪影響を及ぼす空き家を自治体が「特定空家」に指定するようになりました。
特定空家に指定されると所有者は自治体から指導や勧告を受けるようになり、改善されなければ強制的に取り壊されることもあります。
場合によっては固定資産税の優遇措置が撤廃されてしまい維持費が増加してしまうこともありますので、注意が必要です。
不動産買取であれば空き家をスピーディーに処分することができますので、特定空家に指定される可能性がある場合はすぐに買取業者へ相談することをおすすめします。
【参考サイト:空家法とは

空き家を買取で売却するデメリット

空き家を買取で売却するのにはメリットもありますが、デメリットもあります。
一度処分してから物件を買い戻すのには費用も時間もかかってしまいますので、納得のいく不動産買取にするためにもこの章で解説するデメリットをチェックしてください。

仲介に比べると買取価格が安くなりやすい

不動産を買取した買取業者は物件を再販売できる状態に整備し、利益が出る再販売価格に設定して物件を公開しますが、再販売価格は不動産の資産価値に見合った「相場」に近い価格となります。
つまり、買取価格は一般的な仲介査定額よりも安くなることになり、手残り額が少なくなってしまうという点がデメリットです。
そのため空き家を処分した後の売却益について使い道が決まっている所有者は、どのくらいの額が手元に残るのかあらかじめチェックしておくことをおすすめします。

対応している不動産会社を見つけるのが難しい

不動産買取は全ての不動産会社が対応しているわけではないため、注意が必要です。
たとえば不動産仲介を専門としている会社は買取対応しておらず、買取対応している業者であってもマンション専門や市街化区域の土地専門など、得意分野以外は受付していないケースもあります。
そのため買取を依頼できる不動産会社を見つける手間が発生することになり、不動産仲介にはないデメリットといえます。
なお、不動産買取専門業者であればほとんどの物件を買取してくれますので、積極的に買取査定を依頼するのがポイントです。

東京都の空き家相談窓口

空き家の売却はトラブルが発生することもありますので、万が一に備え相談窓口を知っておく必要があります。
この章では東京都で相談に乗ってくれる窓口を紹介します。

東京都空き家ワンストップ相談窓口

東京都の住宅政策本部では「東京空き家ワンストップ相談窓口」を設けており、空き家の相続や売却、賃貸、管理、住み替えなどについて相談することができます。
東京都内にある空き家の所有者や都内に住んでいる空き家の所有者が対象となっており、次のような相談対応例が公開されています。

  • 相談員又は専門家による現地調査
  • 空き家の利活用等に関する具体的な解決策の提案
  • 必要な経費等の試算
  • 協力事業者の紹介
  • 解決に向けたフォローアップ

【参考サイト:相談窓口情報|東京都 空き家情報サイト

専門家団体相談窓口

弁護士の無料相談や消費者相談センター、不動産会社など空き家売買に関連する専門家は多いです。
最近ではメールやLINEで受付してくれる窓口も増えていますので、空き家の処分について不安や疑問がある場合は気軽に相談することをおすすめします。

区市町村相談窓口

区市町村では東京都とは別に窓口が設置されるケースもあり、補助金制度などについて詳しくアドバイスを受けることもできます。
自治体によっては信頼できる不動産会社を紹介してくれることもありますので、積極的に活用することでトラブルを早期解決できることもあります。

まとめ

東京都の中古物件は不動産ポータルサイトでも多く公開されていますが、築年数が古い一戸建てや訳あり物件は買い手が見つからず、長期間公開されているケースも少なくありません。
そのため、一定期間売れない場合は不動産買取業者に買取査定を依頼することも検討する必要があります。
東京都では販売実績の多い買取業者が多いことから、不動産が売れずに困っている売主は積極的に不動産買取を利用することをおすすめします。

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