投資用アパートを良い条件で売却するには

投資用アパートを売却しようとする時、買い手も投資家ですので、価格にはシビアです。
ただ、売却する側としてはできるだけ高く売りたいというのがホンネでしょう。

投資用アパートを良い条件で売却するにはどうしたらいいのでしょうか。
買い手から見て、物件が魅力的に見えるようにしなければなりません。

また、どのような時期に不動産を売却するかで、課税の条件も変わります。

今回は、買手にとって良い物件と思ってもらうにはどのようなことすればよいかということや、課税が多くならない工夫を解説していきたいと思います。

満室の状態だと売却に有利

アパートの売却に有利になる満室の状態というのは、買手にとって非常に魅力的です。
なぜならば、購入したときから安定した収入が見込めるということと、満室であれば賃貸需要が高いと感じるためです。

買手の印象
  • 購入したときから安定した収入が見込める
  • 満室=賃貸需要が高いと感じる

不動産は買手がどう感じるかが重要なのです。

満室にしてから売る

例えば1~2割り程度空室がある場合、頑張れば満室の状態にできる可能性が高いです。
満室にしてから売ることを考えてみましょう。

アパートを売却する時に「満室運営中です」と言うことができればアパートの買い手に対して相当訴求力があることになります。

ではどうやって満室にするか、ということを解説していきます。

管理会社に協力を依頼する

そのために有効な方法のひとつは、AD(広告費)を支払うということです。

単純に報酬を上げる、ということですね。

不動産の会社も商売ですので、報酬が上がれば更に頑張って入居させてくれるかもしれません。

「賃借人を決めてくれれば1ヶ月分の家賃相当の仲介手数料の他に、賃借人を探すためにかかった費用を、広告費(アドバタイズメント費用なのでADと言います)として支払う」約束をすることです。

家賃の1〜2ヶ月分くらいのADを考えても良いのではないでしょうか。
管理会社はなんとしてでも空室を埋めようと頑張ってくれる可能性が高くなります。

初期費用を抑えて入居促進

次の対策として礼金ゼロ作戦です。
あるいは、初めの1ヶ月はフリーレントとして家賃は取らないように(管理費=共益費だけもらうことは可)にすることです。

敷金はあったほうが、次のアパートの購入者にとって担保として安心材料となりますし、何もなければ賃借人は退去の時に返してもらえるのですから敷金は預かるほうが良いでしょう。

ただ、最近はゼロゼロ(礼金ゼロ、敷金ゼロ)も増えてきていますので、周辺の地域の状況によっては初期費用を極力抑えて入居を促した方がいいでしょう。

後述する保証会社を活用することにより、滞納や担保がないことのリスクを最小にできるのであれば、周辺に合わせてゼロゼロ作戦も視野に入れることを考えても良いでしょう。

家賃滞納の問題を解消しておく

家賃の滞納を解決する家賃の滞納がある場合、買手にとってはかなりマイナスになってしまいます。
そのため、もし滞納があるのであれば解消しておく方がいいでしょう。

アパート内で家賃滞納がある場合は?

今まで家賃を滞納していた賃借人から取り立てて未収分を回収するか、滞納を繰り返す賃借人でしたらどうにか立ち退いてもらうことを検討した方がいいかもしれません。

ただし、立ち退きと言っても賃貸借契約を締結している以上、簡単には退去してもらうことができません。

入居者全体の雰囲気、質も大事

滞納があると、買手からはルーズな入居者がいるという印象になってしまいます。

一部屋だけだとしえも、全体の印象と捉えられかねません。

アパート全体の質というか、雰囲気が良ければ買手の印象ももちろん良くなります。
これはアパート全体の質を上げるために、本来普段からオーナーが行うべきことですが、売却に当たってはなおさらです。

入居の保証会社利用は必須と考える

多くの人は使用していると思いますが、入居時の保証会社利用は必須と考えた方がいいです。

保証会社は賃借人の審査を厳しくしてくれますし、家賃の取り立ても行なってくれます。

「審査が厳しい」というと、一見入居を妨げているように受け取られるかもしれませんが、厳しい審査はアパート入居人全体の質を向上させて賃料を上げることに貢献したり、オーナーの将来の訴訟対応などの負担を軽減するために必要なことです。

反社会的勢力を排除したり、将来にわたって家賃が支払えるかどうかをチェックしたり、他の賃借人に対して迷惑行為をかけないかを見極めたりするということです。

保証会社はプロとしてその審査を行ってくれます。そしてその費用は賃借人負担にすることができるのです。

アパートの第一印象を良くする

First impression購入者は、まず写真などで物件をチェックします。

明らかに劣化を感じさせるような外観などであれば、アパートはあまり好印象にはなりにくいです。

不動産を購入する時、まずは見た目から入るというのが正直なところですので、外観は意識的にきれいにしましょう。

アパートの外観がキレイなだけでも好印象に

買い手に内覧時に良い印象を持ってもらうために、エントランス周りやエクステリアを綺麗に清掃し、古いものは新しく更新しておきましょう。

ポストが壊れているなら直しておきます。

その他にも、老朽化していたり汚れがひどいものに関しては、清掃してきれいにするか、可能であれば交換も視野に入れた方がいいですね。

アパートの規律を大事にする

アパートの規律を大事にするアパートの規律を大事にすることが、売却とどのように繋がるのでしょうか?

規律はアパート全体の雰囲気につながっていきます。

具体的に見ていきましょう。

規律によってアパートの生活環境が良くなる

ある程度規律をつくることは、入居者の快適な生活を担保することに繋がります。

そしてそれが、アパート全体の良好な雰囲気につながってきます。

良好な雰囲気であれば、もちろん買手も良い印象を受けますし、査定結果も良くなるでしょう。

例えば、敷地や共有部に荷物やゴミを放置することにはしっかり注意しましょう。

また、夜中に騒ぐことは禁止する、ゴミ出しのルールを守ってもらうよう注意喚起する、などアパートの規律を守るための施策は考えてみるとたくさんあります。

こういう規律を導入すると窮屈に感じて出て行く人がいるなら、それはそれで仕方ないかもしれません。

アパートの規律の例
  • 敷地や共有部に荷物やゴミを放置されていたら注意する
  • 夜中に極度に騒ぐことを禁止する
  • ゴミ出しのルールを守ってもらうよう注意喚起する など

こうして、近隣トラブルの種をなくし、良質な住空間を提供するアパートにしましょう。

 

入居者の満足度を上げると長期入居に繋がる

長期的に入居していれば、売却のときにも満室の状態が保たれやすくなります。

例えば、入居している人にはサービスとしてルーターを導入しWi-fiが使えるようにしてあげましょう。

不都合が起きた時に備えて二系統用意しておけば万全ですがそこまでしなくとも良いでしょう。

Wi-fi対応は大して費用はかかりませんが入居者に喜ばれます。

売却前に必要な工事は行なっておく

大規模修繕工事のイメージアパートを売却する時に、できれば出費は避けておきたいものです。

しかし、一つの投資と考えると、行っておくことでより高く売れるということもあります。

売却のときから比較的近い時期に工事を行っていると不動産の査定の価格も良くなると思われます。

修繕や交換の履歴は買手にとって好印象に

日常的に退去時の壁紙の貼り替え、電球など消耗品の交換、エアコンや給湯器の更新などもこまめに行っておきます。

もし放置してあるならそれを実行しましょう。

買い手はそれらを確認して安心します。

アパートは10年から15年ごとに屋根や外壁などの大きな修繕費が発生します。

このような大きな工事は長期修繕計画に基づき積立金を貯めておいて計画的に実行すべきなのです。

外壁修繕費は10年目に2階建アパートでは、150〜300万円程度を見込む必要があるでしょう。
また、雨漏り防止のため、やはり10年目には屋上防水は1㎡あたり5000〜8000円程度を見込む必要があるでしょう。

これらの大規模修繕工事を行うことで次の購入者は安心して購入をすることができます。

できるだけ築10年以内に売却する

できるだけ早いうちに売る築が古くなる前に売却することが実はオーナーにとってメリットがいくつかあります。

それはどのようなものでしょうか?

大規模修繕を行う必要がない

「住宅の品質確保の促進等に関する法律」で全ての新築住宅に対する10年の瑕疵担保期間が義務化されています。

その間に見つかった欠陥については原則、売主や施工会社が補修することとなっているので安心できます。

そのため、オーナーが大規模修繕工事を行いたくない場合は、10年以内に売却すると良いでしょう。

大規模修繕工事用に蓄積した積立金は買い手に渡す必要はありませんから、オーナーは丸々自分の懐に入れることができます。

ただし、買い手としては外壁工事費・屋上防水工事費については購入後には自分の負担になると考えて、両方の修繕工事費分を差し引いてアパートの売買金額をオファーしてくる可能性があります。

融資が付きやすいの高く売却できる

アパートの築年数は売却価格に大きく関わります。

それは、築年数が経過していると銀行が融資できなくなるからです。

こちらの記事でもアパートの売却と銀行融資の関係を記載しているので、よければご覧ください。

 

アパート売却相場の見方 | 利回りと売却価格の関係を解説

[getpost id=”1125″ title=”アパート融資の参考記事” ]

 

購入してから売却まで5年以上の期間を取る

5年というのは「短期譲渡所得税」と「長期譲渡所得税」の境になる年数です。

この2つで、課税の額が大幅に違ってきます。

短期譲渡所得税と長期譲渡所得税が5年で税率が異なることを意識しましょう。

区分所得税住民税
長期譲渡所得(5年超)15%5%
短期譲渡所得(5年以下)30%9%

アパートは減価償却がどんどん進みますので(木造建築なら法定耐用年数は22年)、取得費から毎年簿価が小さくなって行き、売却金額が簿価プラス諸費用を上回ることが多いと思います。

思わぬ計算上の利益が生じるわけです。

するとその差額である譲渡利益に、5年以下なら39.63%、5年超なら20.313%の譲渡所得税率が課されてしまいます。

いくら査定の価格が良くても、課税されて手元にお金が残らなければ意味がありません。

5年内売却か5年超売却かどちらかで迷った場合は、5年超を選択したほうが有利な税率を使えます。

ただし、この5年の期間は売却した年の1月1日現在で判定しますから気をつけてください。

 

譲渡所得に関してはこちらの記事でも解説していますのでよければ御覧ください。

[getpost id=”1067″ title=”税金の参考記事” ]

 

アパートを売却するなら代々木不動産に聞いてみる

投資用アパートを良い条件で売却する方法を記述してきましたが、上記のような心構えを普段からお持ちになってアパート経営を実践されているオーナーの方は全く心配がありません。

投資用アパートの土地・建物・設備というハードの維持も、入居者サービス水準の向上・入居者の質の維持というソフト管理もできていて、入居者審査というリスク管理も実践しておられるなど、良質のアパート経営を行っていらっしゃるオーナーさんは、いつでもアパートを次の購入者に万全の形で引き継ぐことができるのです。

代々木不動産では、築が古くなったアパートでも、全く入居していないアパートでも売却を成功させてきました。

まずは無料で価格査定からご相談してみてくださいね。

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