投資用アパートの売却に必要な費用、できればあった方がいい費用
アパート投資における物件の売却は、利益を確定する意味において大切な段階と言えます。
と言うのも、その段階でトータルの収益を黒字にすることが、一連のアパート投資の成否の違いにもなるからです。
ところで、アパートの売却を考える場合、当然ながら可能な限り高値で売った方が、利幅が大きくなります。
それでは、どの様にしたらアパートを有利に売ることが出来るのでしょうか?
ここでは、アパート売却の段階で、有利に売却するための手段を、費用面を中心にお伝えします。
アパート売却には意外に費用が掛かる
まずは、アパート売却に掛かる費用から述べたいと思います。
「必要な費用」と「あった方が良い費用」
アパート売却には意外に費用が掛かります。
例えば不動産仲介業者に支払う手数料がありますし、税金なども掛かります。
いずれの費用も売却費用に連動して額が決まるので、非常に大きな負担になってしまいます。
しかし、これはあくまでも、売却に「必要な費用」です。
アパート売却には「あった方が良い費用」も実はあります。
と言うのも、売却するアパートを少しでも高く売るためには、査定を高くし、買手に魅力的に見せる必要があるからです。
また、建物の性能も買手にとっては気になるところなので、大丈夫であることのエビデンスを付ける必要も出て来ます。
そして、それらは決して無料では無く、売手側の負担となります。そのためにも「あった方が良い費用」があるのです。
有利にアパートを売却するために
有利に売却するため、つまり査定を高くするための手段を具体的に言うならば、まずは外観を良い状態にする必要があります。
また、住み心地を良くしなければ、買手に買い叩かれる可能性も出て来ますので、室内の原状回復や、場合によってはリフォームの必要性まで出て来ます。
次に挙げられるのが、建物の基本的な品質です。
建物自体に傾きが無いか、痛みの具合はどうなのか、それらの情報を、買手の納得する形での報告が必要になります。
外観、室内、そして建物の性能、すべてにおいて納得の行く状態が、有利な売却に繋がるのです。
売却時に用意しておいた方がいい費用
ここではアパート売却時に、用意しておいた方が良い費用の主な物について、具体的に挙げてみます。
立ち退き料
アパートを売却する場合、住人が入っている場合の方が歓迎される場合もありますが、住人がいない状態の方が良いとされる場合もあります。
その場合、住人に退去してもらうためには、立ち退き料を支払う必要が出て来ます。
インスペクションの費用
インスペクションは住宅の品質診断となりますが、中古のアパートでも有用な確認手段です。
第三者のプロによる建物の診断になりますので、買主に対しては説得力を持つエビデンスとなります。
原状回復費用
原状回復の費用も見ておくべきです。
と言うのも、借主の退去に伴う原状回復の範囲は、住んでいる間の劣化分となっており、全部を新しくする義務までは負っていないからです。
例えば、カーペットに家具を置いた場合、家具の重みで跡が付くことがありますが、これは通常の使用での劣化に数えられ、借主の原状回復義務にまで該当はしません。
この部分を回復させるならば、大家の負担になるのです。
売却時にしておきたい工事
次に、売却時に売手側でしておいた方が良い工事について紹介します。
外壁塗装工事
外壁塗装は建物の美観を守る上で、あるいは壁への水の侵入を防ぐ上で、そして建物の寿命を延ばす上でも重要な工事です。
そして、これは数年に1回すべきリフォームで、仮にリフォームがされていない場合は建物の痛みまでをも懸念されます。
その様なマイナス要因を無くす意味でも、外壁塗装工事はあった方が良いです。
内装リフォーム
ケースバイケースにもなりますが、特に古いアパートを売却する場合は、内装のリフォームも考えた方が売却の上で有利になります。
そして、特に築年数が古い場合などは、浴室やトイレ等も交換した方が、トータルでの売却益のアップも期待できます。
エアコン等の交換
物件にエアコン等を設置していて、それが老朽化している場合には、交換をしておいた方がトータルでの利益をアップさせることも可能です。
まとめ
これらの用意しておいた方が良い費用は、必ずしも必要な費用では無いでしょう。
しかし、アパート投資の収益をトータルで見るならば、投資の一部と考えるのも良策とも言えます。
目の前の数字だけを見るのでは無く、トータルの数字から判断をしましょう。